リモートワーク効率化!ツール連携で仕事フローを自動化する実践テクニック
リモートワーク環境では、情報共有やタスク管理のために様々なツールを利用することが一般的です。しかし、これらのツールがそれぞれ独立していると、情報が分散したり、ツール間の手動での情報転記に時間を取られたりすることが少なくありません。日々のルーチンワークに追われ、本来集中したい業務になかなか取り組めないといった課題を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、リモートワークの生産性を向上させるための「ツール連携」に着目します。複数のツールを連携させることで、手動で行っていた情報共有やタスク登録といった定型的な業務を自動化し、より効率的に仕事を進める具体的な方法をご紹介します。
リモートワークにおけるツール連携の重要性
リモートワークでは、オフィスでのように気軽に声をかけたり、隣の席の同僚に画面を見せたりすることが難しいため、ツールの活用が不可欠です。チャットツール、ビデオ会議システム、タスク管理ツール、ファイル共有サービス、カレンダーなど、目的別に使い分けている方も多いでしょう。
これらのツールを連携させることには、以下のようなメリットがあります。
- ルーチンワークの自動化: 特定のアクション(例: カレンダーに会議が登録された)をトリガーとして、別のツールで別のアクション(例: チャットツールに通知を送信)を自動で実行できます。これにより、手動で行っていた情報転記や通知の作業を省けます。
- 情報共有の効率化: 関連する情報が複数のツール間で自動的に連携されるため、最新情報を確認するためにいくつものツールを開く必要がなくなります。情報の探し回る時間を削減し、チーム内の情報格差を減らすことにもつながります。
- ミス削減: 手動での情報転記は、入力ミスや転記漏れのリスクを伴います。ツール連携によって自動化することで、これらのヒューマンエラーを防ぐことができます。
- 集中力維持: ツール間の情報のやり取りが自動化されることで、作業の中断が減り、一つのタスクに集中しやすくなります。
具体的なツール連携の事例と設定方法
ここでは、リモートワークでよく使われるツール間での具体的な連携事例と、その設定方法の概要を解説します。多くのツールは、外部サービスとの連携機能や、連携サービス(Zapier, IFTTTなど)との接続に対応しています。
事例1: チャットツール(Slack/Microsoft Teams)とカレンダー(Google Calendar/Outlook Calendar)の連携
会議の開始時間や参加者情報をチームに共有したり、自分のスケジュールをチャットで簡単に確認したりするのに役立ちます。
連携でできることの例:
- 自分のカレンダーに新しい会議予定が入ったら、指定したチャネルに自動で通知する。
- 会議の開始時刻が近づいたら、自分や参加者にチャットで通知する。
- チャットツールから、自分の今日の予定を問い合わせる。
設定方法の概要:
多くのチャットツールには、各種カレンダーツールとの連携機能が標準搭載されています。
- 利用しているチャットツールのApp Directory(またはアプリストア)を開きます。
- 連携したいカレンダーツール(例: Google Calendar)を検索します。
- アプリをインストールし、画面の指示に従ってカレンダーアカウントとの連携設定を行います。
- 連携後の動作(例: どのカレンダーの予定を通知するか、どのチャネルに通知するか、通知のタイミングなど)を設定します。
事例2: チャットツール(Slack/Microsoft Teams)とタスク管理ツール(Notion/Trello/Asanaなど)の連携
チャットで依頼された内容をタスクとして登録したり、タスクの進捗状況をチームに自動で共有したりするのに便利です。
連携でできることの例:
- 特定のチャットメッセージを右クリックして、タスク管理ツールの新規タスクとして登録する。
- タスク管理ツールで特定のタスクのステータスが変更されたら、関連するチャネルに通知する。
- 特定のプロジェクトの締め切りが近づいたら、チームにリマインダーを送信する。
設定方法の概要:
これも、多くのツール間で公式の連携機能が提供されています。
- タスク管理ツールの連携設定画面、またはチャットツールのApp Directoryを開きます。
- 連携したいツール(例: Notion, Trello)を検索し、連携機能を有効にします。
- 画面の指示に従って、両方のアカウントを認証し連携を確立します。
- 連携後の動作(例: どのプロジェクトのタスクを通知するか、どのチャネルに通知するか、タスク作成のトリガーなど)を設定します。Notionの場合は、データベースIDなどの情報を連携設定で指定することがあります。
事例3: 簡易自動化サービス(Zapier/IFTTTなど)を利用した連携
公式連携がないツール間でも、ZapierやIFTTTといったサービスを介することで様々な自動化が実現できます。これらのサービスは「もし〇〇が起きたら、△△をする」という形式(ZapやAppletと呼ばれる自動化フロー)で設定を行います。
連携でできることの例:
- Gmailで特定のラベルがついたメールを受信したら、タスク管理ツールに新規タスクを作成する。
- Google Driveに新しいファイルがアップロードされたら、チャットツールに通知する。
- Google Formsで回答があったら、スプレッドシートに行を追加し、さらにチャットツールに通知する。
設定方法の概要:
- ZapierやIFTTTのアカウントを作成します。
- 新しいZap(Zapier)またはApplet(IFTTT)を作成する画面を開きます。
- 「Trigger」(トリガー、〇〇が起きたら)となるサービスと具体的なイベントを選択・設定します。
- 「Action」(アクション、△△をする)となるサービスと具体的なアクションを選択・設定します。
- 必要に応じて、トリガーの情報(例: メールの件名や本文)をアクションに引き渡すマッピング設定を行います。
- ZapやAppletを有効化します。
これらの連携は、ITエンジニアの方であれば、ツールのAPIドキュメントを参照してよりカスタマイズされた自動化を構築することも可能です。まずは既存の連携機能や、ノーコード/ローコードの連携サービスから試してみることをおすすめします。
ツール連携の効果を高めるためのポイント
ツール連携による自動化は非常に便利ですが、設定によってはかえって情報過多になったり、かえって混乱を招いたりすることもあります。以下の点に注意して連携を進めましょう。
- 連携する目的を明確にする: 何を自動化したいのか、その自動化でどのようなメリットを得たいのかを具体的にしてから設定に取り組みましょう。
- 通知設定を最適化する: 無闇に通知を増やさず、本当に必要な情報だけが通知されるように設定を調整します。通知が多すぎると、重要な情報を見逃す原因になります。
- チーム内でルールを共有する: どのようなツールを連携させているか、どのような情報が自動で共有されるかをチームメンバーに周知し、共通理解を持つことが重要です。
まとめ
リモートワーク環境での生産性向上において、ツールの活用は不可欠です。さらに一歩進んで、日頃利用しているツール同士を連携させることで、手動で行っていた定型業務を自動化し、情報共有をスムーズにすることができます。
本記事でご紹介したチャットツールとカレンダー、タスク管理ツールとの連携や、連携サービスを活用した自動化は、日々のルーチンワークを削減し、より集中して本来の業務に取り組むための強力な手段となります。まずは身近なツール同士の連携から試してみてはいかがでしょうか。少しずつ自動化を進めることで、リモートワークの働き方がより効率的で快適なものになるはずです。